1)開発ミーティングにおける、彼からの提案は一見無茶苦茶なものだった。重すぎてはこの釣りの間口を狭くしてしまう、柔らかくては使い物にならない、そして価格も手頃でなくては、やはりトライしてみようと言う釣り人も減ってしまう。メーカーサイドとしては絶句するコメントであった。彼の意見は全てが物理的にも、金銭的にも反比例するものであり、とても開発にかかれる状況ではなかった。しかし彼の激流への思い、又数多くの鮎師に挑戦してもらいたいとの熱意を受け、困難な道を歩み出しました。
2)度重なるテスト、パーツ制作そして又テストと、堂々巡りのような日が続いた。開発の方向性は重量に関しては、自重はあっても持ち量らなければ、この釣りの実釣感は変わらない。それよりも、柔な感じは払拭するという方向に変わっていった。流されれば絶対に戻れない激流での釣り、掛けた鮎はその場で獲るのが激流の流儀である。開発は一気に軌道に乗り、祐次氏の望む激流に対峙する剛竿は出来上がった。
3)先調子でありながら、怒級の力が加わると、胴の強さで疾走を押さえ込む、そして鋼のバネのような反発力を利用し、一気に上流に振り飛ばす激流振り子の理想的な調子。キモはベタ竿で扇状に探る釣りの弱点、シモ竿掛かりにおける強さ、この安心感は激流に身をおいた者にしかわからない感覚でしょう。
4)ぜひこの竿を手にし、激流大鮎との真剣勝負に立ち向かって頂きたい。新たな鮎釣りの一面が必ず見えてきます。ただし命あっての鮎釣り、初めて激流に身をゆだねる時は、上級者の同行ともう一歩踏み出すのを諦める勇気も必要です。無理は厳禁安全を考えた上で、楽しめる余裕を持って釣行して頂きたい。